●レリーズベアリング交換
クラッチ周辺からシャリシャリ音が聞こえてくるというのは大抵レリーズベアリングの不良。SJ20の場合はEgを降ろしたついでに確認しておくと良い。酷いものは完全に固着していて回転すらしないという状況である。
経験者は体験済みかと思いますが、SJ20のレリーズベアリングはリテーナーに圧入されており、このリテーナーをスプリングでフォークに固定している。交換の際はこのスプリングを元通りにしなくてはいけないのだが、初体験だとナカナカやり難いものなので、今回珍しく画像を撮ったので一応交換方法を示しておこうかと思う。そう、SJ20Vの作業の「ついで」です・・・。
画像はリーテナーとスプリング、そしてレリーズベアリング。右画像は不良。フォーク接触部が磨耗しており、無理に押されたベアリングはガリガリに痛んでいます。
手前に小さな穴が見えますが、ここにスプリングの真っ直ぐな部分が刺さり、フォークと固定されています。これを組み忘れるとレリーズベアリングはクラッチの力だけで戻ってくるので全く良いことがありません。
このスプリングの装着は、コツを掴んでいないと少々手間取ります。私も最初に作業した時は????でした。イマまで、入れ忘れ(諦めた?)られているものが4機中2機もありました(驚)
先ず、フォークのリターンスプリングをフリーにします。これを忘れると難易度が120%増します。そしてリテーナーにスプリングを装着する。真っ直ぐな方を穴へ、L字の方をリテーナーの窪みに収めます。
ここでは見え易いようにベアリングは入れていませんが、実際には入れてから作業します。
フォークを前に出し、先端部を微妙にスプリングに引っ掛けます。後は手でサポートしながらユックリとフォークを戻してゆきます。するとパチンとスプリングがはまり、フォークと固定されます。
レリーズベアリングがついているとこうなりますね。フォークのリターンスプリングを元に戻して終了。リテーナー擦動面は綺麗に均してグリースアップしておく事を忘れずに。耐熱性の高いものを使用します。適当なグリースを使うと熱で溶けてクラッチ周辺に飛び散りますので注意。ついでですが、インプットシャフト下に見える大きなプラグ(●)は、ひび割れるなどして痛んでいる事が多々あるので、こちらも予め用意しておいた方が良いでしょう。
これで完成です。ベルハウジング内は綺麗にしておきましょう!